生徒の学習意欲向上につながる効果的な「ほめ方」とは?【前編】

2017年9月28日

高校の先生の約8割が「生徒の学習意欲が低い」ことに悩んでいる、という調査結果をご存知でしょうか?

学校の授業も、家庭での学習も、先生がいくら指示を出したところで、最終的に取り組むのは生徒さん自身。生徒さんの学習意欲を高めることができれば、授業も家庭学習も、その成果はより大きなものになります。

では、先生が生徒さんの学習意欲を高めるために何かできることはないのでしょうか。

その1つとして、「生徒をほめる」という方法があると言われています。

生徒をほめることで、学習意欲は高まるという調査結果は実際にあるのか。もしあるとしたら、学習意欲が高まるのはなぜなのか。そして、どのようにほめれば効果的なのか

この記事では、生徒をほめることと学習意欲の関係、効果的なほめ方についてまとめてみました。

人は期待された通りに成果を出す=ピグマリオン効果

ピグマリオン効果(別名:教師対効果)、というものがあります。

1964年にアメリカ合衆国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールが、とある実験を行いました。

小学校のクラスにおいて知能テストを行い、生徒さんをランダムに2つのグループA、Bに分けました。そして、「Aグループの生徒はこれから成績が伸びる、Bグループは伸びない」と担当の先生に嘘のテスト結果を根拠にして伝えました。

すると、グループ分けには何の意味もなかったにも関わらず、成績が伸びる、と先生が期待したAグループはBグループに比べ、明らかに大きく成績が伸びた、という結果が出ました。

ここから、「人は期待された通りに成果を出す傾向がある」=ピグマリオン効果が報告されたのです。

 

ピグマリオン効果と「ほめられること」

ピグマリオン効果に対しては様々な批判がありますが、「期待される」と「成果を出す」の因果関係への説明もきちんとあります。

先生が生徒に期待したことにより、生徒は期待されていることを意識し、それが行動につながった、というものです。

ピグマリオン効果とは別に、「ほめられることで学習意欲が高まる」という調査結果もありますが、この結果はまさにピグマリオン効果と同様の趣旨を述べているものではないでしょうか。

なぜなら、生徒さんが先生からの期待をもっとも明確に感じる出来事の1つが「先生からほめられること」だからです。先生から何かについてほめられることで、自分は期待されていると感じ、自分はできるのだ、じゃあやってみよう、という気持ちの移り変わりをたどり、学習意欲の向上に結びつくのだと思います。

しかし、むやみやたらに不適切なほめ方をすると逆効果が生じることがある、という報告もあります。

では、どのようなほめ方をすると、プラスの方向により大きな効果が出るでしょうか。逆に、どのようなほめ方が逆効果なのでしょうか。

 

効果的なほめ方とは

生徒さんの学習意欲の向上のための効果的なほめ方として、

  • 生徒の努力と自律性がほめの根拠であることを明確にする
  • パフォーマンス増強に資する具体的なフィードバックを与える

ことが脳科学の研究により明らかにされています。

例えば、生徒さんが数学の宿題をやってきたとしましょう。ただ「しっかりできているね」とほめるよりも、

「数学のこの分野、苦手そうだったのに自分で最後までやり抜いたんだね」(努力と自律性)

「今回ここまでできたから、次は一問からでいいから間違え直しとかやってみたらもっと良くなるよ」(フィードバック)

とほめると、生徒さんとしてはより嬉しく感じるでしょう。自分が何をどうがんばったかという、がんばりの具体的な内容まで先生はちゃんと理解してくれている、と伝わるからですね。その後のアドバイスも、生徒さんが次のステップに進むための道しるべになります。

たとえ、宿題だからと言って仕方なくやってきた場合でも、むしろ、仕方なくやるときこそ、生徒さんは自分は努力をしているのだと感じることもあるために、より響くものがあるのだと思います。

 

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前編では、ほめることと学習意欲向上の関係および効果的なほめ方の一部についてご紹介しました。

後編では、

  • 印象に残るほめ方とは
  • ほめ方に関する注意点
  • その生徒さん1人だけに向けたほめ言葉を

についてお届けします。