アクティブラーニング実践!オススメ書籍をレビュー

2018年3月31日

最近話題の「アクティブラーニング」。この関心が高まっている新たな手法の学びのカタチを皆さんは普段の授業で取り入れられているでしょうか?2018年2月には高校の学習指導要領改定案で全教科アクティブラーニング(「主体的・対話的で深い学び」)が導入されることが発表され、これから授業で取り入れようとしている方も多いはずです。

しかし、一言でアクティブラーニングといってもその形式は様々で、いざ授業に導入しようとしても何をしたらよいのかわからないという方も多いと思います。

そこで今回はアクティブラーニングを実践する上で役立つ書籍を紹介したいと思います。

今回紹介するのは小林昭文氏(産業能率大学教授)の『現場ですぐに使えるアクティブラーニング実践』です。

小林氏はアクティブラーニングが大きく話題になる前からその研究と実践に取り組んでおり、この本では小林氏を中心に全国でアクティブラーニングを実践している高校の先生方の理論と実践の具体例が数多く紹介されています。

本稿では、本書の構成に従ってアクティブラーニングの概要について見たのちに、具体的なモデル、レポートを読んだ感想をお伝えしたいと思います。今後、アクティブラーニングを授業で実践される上でぜひ参考にしてみてくださいね。

「アクティブラーニングってなんだっけ?」という方は、こちらの記事から参考になさってくださいね。

なぜ、いま、アクティブラーニングなのか?

アクティブラーニングへの関心の高まりの背景とは?その定義は?

この本の前半部分はアクティブラーニングとはどういったものなのか、そしてこのアクティブラーニングへの関心の高まりの背景としてはどのようなものがあるのかが記されています。

アクティブラーニングは2014年に文部科学省から中央教育審議会への諮問で大きく取り上げられたことで急速に注目されるようになりました。このことがアクティブラーニングへの関心の高まりの大きな理由とされています。

このアクティブラーニングはそれまで行われてきたキャリア教育を発展させる形で広がっていきました。そして、現在では教科教育の充実のための学習へと重点が移ってきているそうです。全教科でアクティブラーニングの導入が謳われた学習指導要領改定案はまさにこのことの象徴とも言えるでしょう。

では、このアクティブラーニングの定義とはどのようなものなのでしょうか?本書ではその定義として「一方向的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での、あらゆる能動的な学修のこと」と記されています。つまり、生徒が能動的に何か活動しながら学習するすべての形式がアクティブラーニングと言えるのですね。

アクティブラーニングのモデルパターン

では、どのような形式でも能動的に学習することがアクティブラーニングと言えるといっても、いざ実際に授業で導入しようとするとどうしてよいのかわからないという方も多いと思います。そこで本書の第4章では鈴木映司氏(静岡県立韮山高校教諭)がアクティブラーニングのモデルとその展開の仕方について執筆されています。

鈴木氏によるとアクティブラーニングをする上で学校の先生方は学習のデザイナーであるとされています。そのアクティブラーニング型授業を通してどんなことを学んでほしいのかという「学びのゴール」をまずは考え、その上でどのような手法を取ればよいのかという視点をもとに手法を考えて決定していくことが大切だそうです。

この「学びのゴール」とは普通の授業のゴールと同じであり、どのようなものでも構わず、大切なのはそれを意識して授業を展開することのようです。

ここで重要となるのがアクティブラーニング型の授業を行う上で先生方もアクティブラーナーである必要があるということとされていることです。失敗を恐れることなく試行錯誤していくことで授業を向上させていくという姿勢は、決まった形がないアクティブラーニング型授業を行っていく上では大切なのですね。

また、この章ではアクティブラーニングの形にとらわれることは必要ないことが繰り返し記されています。実際の手法が33個紹介されており、それらの手法が体系的にまとめられていますが、一つにこだわることなくその手法を様々に組み合わせて授業を展開していくことが推奨されています。

学校、クラス、教科などの各々の事情に合わせて柔軟に展開できるのもアクティブラーニングのメリットと言えるのではないでしょうか。

アクティブラーニング実践レポート

この本の後半部分では、全国の高校で行われている実際のアクティブラーニング型授業のレポートとアクティブラーニングを実践する上でのQ&Aが数多く掲載されています。

国語や英語だけでなく保健や情報、家庭科まで数多くの教科でのアクティブラーニングの具体例がわかりやすく掲載されています。必要な道具や時間配分、やってみた感想までレポート形式でまとめられており、ご自身の教科の実践例を真似して導入することも可能だと思います。これらのページの具体例は実際の授業ですぐにでも使えるものですからぜひ参考にしてみてくださいね。

話し合う、議論しあうなどといった文字通りアクティブな形式が多く授業を受ける生徒の皆さんは楽しく学習できるだろうなと感じます。学びの楽しさを体感することができるのもアクティブラーニングの長所なのではないでしょうか。

まとめ

今回はアクティブラーニング実践のために役立つ書籍として『現場ですぐに使えるアクティブラーニング実践』を紹介しました。

「アクティブラーニング」というと実際に授業に取り入れるのは難しいとか教科によって向き不向きがあるもののように感じていました。しかし、この本を読んでみるとそんなに難しいものではないと思うようになりました。もちろん、アクティブラーニング型の授業にもデメリットはあると思いますが、少しでも授業に取り入れられたなら深い学びが実現すると同時に楽しい学びが生まれるように感じます。

最近関心が高まっているアクティブラーニングを実践してみようかなと思っている方はぜひこの本を手に取ってみていただきたいと思います。

また、この本のシリーズとして『アクティブラーニング入門』、『アクティブラーニング入門2』も同じく産業能率大学出版部より発売されています。ぜひこちらも参考にしてアクティブラーニング型の授業を初めてみてくださいね。

参考文献

小林昭文『現場ですぐに使えるアクティブラーニング実践』

 


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