生徒の可能性を広げる!アクティブラーニング体験談

2018年3月31日

最近、よく耳にするようになったアクティブラーニング。

「アクティブラーニングを使った教育が必要になる!」と言われても、「アクティブラーニングで、生徒は楽しく学んでくれるのか」「何かアクティブラーニングって難しそう」と感じている先生方も多いかと思います。また、貴重な授業時間を割いてまでアクティブラーニングをするほどの意味があるのだろうかと考えている方もいるかと思います。

そこで、大学のゼミでアクティブラーニングを経験した私から、体験を通して考えたアクティブラーニングの魅力についてお話しさせて頂きます。

「アクティブラーニングは中高生にどのような学びを与えるか」「学びの多いアクティブラーニングの運営にはどのような工夫が必要か」を中心にお話しします。

「アクティブラーニングってなんだっけ?」という方は、こちらの記事から参考になさってくださいね。

なぜ、いま、アクティブラーニングなのか?

大学で経験したアクティブラーニング

まず、私の所属するゼミでのアクティブラーニングの概要をお話しします。

私は近現代日本の経済社会学を学ぶゼミに所属しています。経済社会学とは、社会学の中の学問です。社会学を簡単にいうと、世の中の仕組みを社会を構成する色々な要素(経済・家族・教育など)の視点からみて明らかにする勉強です。中でも経済社会学は、社会を経済の観点から見て、その構造を見る学問です。

そのゼミでのアクティブラーニングは「産業について研究を進め、自分なりの結論を出すこと」という課題について、3人1組の班で約4か月間取り組むものでした。

自分の好きな産業テーマで研究を進めて、その結果から日本の社会構造を明らかにすることが目標です。4か月間の中で、数回の中間発表をゼミ生と教授の前で行い、フィードバックや質問を受けながら、研究の方向を修正しました。

楽しかった点、難しいと感じてしまう点

さて、私がアクティブラーニングをする中で、「これは楽しいな」と感じた点、「ここは難しかったな~」と感じた点があります。

「楽しかった点」

まず、楽しいなと感じた点は”何をするかを自分たちで決められること”です。

アクティブラーニングでは従うべき模範回答はありません。先ほどの課題を進めるにあたって「最近よく聞く、フィンテックって面白そうだから、フィンテックから産業を分析してみよう」と考えるのも「(映画が好きなので)ハリウッド映画と日本の映画の産業構造を比較してみよう」と考えるのもどちらも正しい選択です。

研究方法についても同様です。図書館やインターネットで資料を読むことも、実際にインタビュー調査をするのもよいアプローチです。

何を選んでも自由です。そして、自分たちが選んだ方法で研究を進めていくと面白い発見や仮説に当たります。その時、「自分たちの頭で目いっぱいやりきると、こんなにすごいことできるんだ!!」と大きな達成感を感じました。

最後に、私たちの教授が「私たちがアクティブラーニングって自由で楽しいものだな」と思えるようにしていた工夫をご紹介します。
それは、
先生は生徒の研究見解を否定しすぎないことです。アクティブラーニングが自由で楽しい学問であるのは、答えがない勉強だからです。先生が学生の研究結果を否定しすぎると、生徒は「先生に間違いをたくさん指摘された…。やっぱり、自分たちの力なんて大したことないんだ。模範解答を覚えるのが賢い手段だな」と考えてしまいます。研究見解に対する反論は、生徒間の質疑応答に任せること。先生は研究結果に関しては、オリジナルで面白い意見として褒めるコメントを必ず入れることで「アクティブラーニングって楽しいな」という想いを持ってもらいやすくなります。

「難しかった点」

次に、アクティブラーニングで「難しいな~」と感じたことについて。それはアクティブラーニングの課題は往々にして、研究の着地点がはっきりとしておらず、何から手を付けて良いか分からないことです。

先述の通り「産業について研究を進め、自分なりの結論を出すこと」というのが私たちに与えられた課題ですが、最終的にどのような結論になっていくのかはこの課題からは想像もつきません。ゴールが想像できない状態では、何から研究を進めていけばよいかが分からず、途方にくれてしまうでしょう。

「課題の難易度を調整する」

もちろん、先ほど述べたように難しい課題に対して、自分で解決方法を考え、成功した際は達成感があります。しかし、アクティブラーニングに慣れていない中高生にとって、ゴールが曖昧な課題の解決法を探すことは難しいです。そこで、課題の着地点を具体的に示すことで取り組みやすくすることをオススメします。最終的に何を明らかにしたいかが分かると、そこに辿り着くためにどんな研究をするべきかを考えやすくなります。

例えば、「産業について研究を進め、自分なりの結論を出すこと」という課題を「日本と海外の産業について、何か違いを見つけてきて」という課題に変えることで、「比較対象にする産業を決める」「各産業について歴史や現在の方針を調べる」等するべき研究が容易に考え付くようになります。

よいフィードバックとは

アクティブラーニングで他の人からのフィードバックはかなり重要です。私たちの発表でも、中間発表時の質問とフィードバックがあったからこそ、課題の解決に近づくことが出来ました。

「産業について研究を進め、自分なりの結論を出すこと」という課題を目の前にして、私たちはまず産業について知識を入れるべきだと考えました。そこで、最初の中間発表では、戦後の各時代で伸びた産業とその原因を見ていきました。この時点では、課題解決の道筋は何も立っていません。

この中間発表の後、教授からいくつか質問を受けました。今思い返すと、その質問の意図は2つでした。「今回の研究を通して、得られた仮説は何か。その仮説を証明するには次にどのような研究をするべきか。」という点です。

この2点をいつも質問を受けるので「たぶん、これは聞かれるから回答を用意しておこう」と生徒は研究時からこの2点を意識するようになります。すると、次第に自分で仮説立案と検証をすることが出来るようになります。つまり、自ずからアクティブラーニングが出来るようになるのです。

アクティブラーニングで話が上手になる!?

次に、アクティブラーニングは日常生活にも役に立つということをご紹介します。

なんといっても、アクティブラーニングを経験すると、話が上手になります!アクティブラーニングの研究ってけっこう大変です。だから、報告会では「自分の発表をきちんと伝えたいな」と考えてプレゼンを作ることになります。

もちろん、思いだけではわかりやすいプレゼンは作れません。さらに、アクティブラーニングではわかりやすいプレゼンを作れる理由があるのです。それは、何も知らない&その内容に対して興味がない人目線です。つい数週間前まではその研究について自分も知識がない人間でした。その研究に対して何も知らない人の目線が分かります。だから、「円高で自動車会社が儲かるって言われても難しいだろうな、わかりやすい図を入れておこう」といった工夫が出来ます。

一度、相手の立場に立ってわかりやすい話をした経験があると、同じことを2度3度と続けていくことができます。

これは日常生活でも確かに役立ちます。想像してみてください。あなたは保険のセールスマンを前にしています。ただ、あなたは保険への興味は薄いです。あるセールスマンは加入してほしい保険の仕組みについて説明します。彼はよく勉強しているので、その保険についての詳細なルールまで事細かに全てよどみなく話します。もう1人のセールスマンは「~さん健康だね。健康なら保険なんて要らないかなと思うかもしれないけど、健康な人って保険料が安くなるんだよ」とあなたの興味を引き付け、保険の仕組みについて図を書いてわかるまで教えてくれます。どちらのセールスマンに惹きつけられるかは明白ですね。

ここまでの違いはなくとも、何も知らない&その内容に対して興味がない人目線で話せる人はトクをします。私自身、高校時代は人にプレゼンをすることが苦手でしたが、大学に入ってアクティブラーニングなどを通して、少しずつ上手になり、抵抗感もなくなりました。

大学生にプレゼン能力なんて必要なの?と疑問に思われる方もいるかもしれません。しかし、意外と使う機会は多いです。例えば、就職活動。自分のことを何も知らない面接官に対して、自分について話すことが必要です。ただ話すだけでなく、自分の魅力や会社に対する想いを最大限伝えるために、どのような構成でどう話すかが重要です。だから、アクティブラーニングで培ったプレゼンスキルが、私の就職活動で活きました。

まとめ

いかがでしたか?

アクティブラーニングは簡単なものではないですが、「課題の着地点を具体的に示して、課題のレベル調整をすること」や「仮説と検証を促すフィードバック」により慣れていない人でも取り組んでいくことができます。そこで得られる学びは一生使えるものです。是非、アクティブラーニングで生徒の可能性を広げてください。

 


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