受けただけで終わらせないために!模試フル活用に向けて、先生にサポートしてほしかったこと
受験における必須アイテムである模試。先生からすると、定期試験とは別に、幅広い学習範囲、幅広い生徒層の中における、自校の生徒さんの成績を測るための大きな指標ですよね。
しかし、生徒さんからすると、この模試はやっかいなものです。
模試に向けて勉強した方がいい、模試は復習しなければならない、と分かっていても、なかなか行動に結びつかない。ただ模試を受けて、結果が返ってくるのを待って、結果で一喜一憂して終わってしまう。そんな生徒さんが多いと思います。
せっかく長い時間をかけて模試を受けるのであれば、ぜひ模試をフル活用して、日々の勉強に活かしてほしい。
この記事では、生徒さんに模試をフル活用してもらうために、模試前後になぜ生徒さんが模試の勉強ができないかについて分析してみました。
さらに、筆者をはじめとしたキャストの体験談から、先生からどんなサポートがほしかったかについても考えてみました。
また、最後には、先生の負担を減らすための、ちょっとした資料もご用意しています。そちらの方もぜひご覧ください。
目次
模試をフル活用するとは?
そもそも、模試をフル活用するとは、どういうことでしょうか?
多くの難関大生、特に、はじめから成績がよかったわけではなく、勉強する中で成績を伸ばして合格をつかみ取った難関大生の多くは模試をフル活用していました。
彼らが口をそろえて言うのは、
「模試は自分の弱点を明らかにして、その弱点を克服するために使っていた」
という言葉。合格のための点数が足りていなかったからこそ、点数を伸ばすべき分野=弱点を見つけ、集中治療を行っていた、ということです。
しかし、このことは先生が口を酸っぱくして生徒さんに言っていることですよね。だから、「そんなことは分かっているよ」という生徒さんがほとんどだと思います。
では、フル活用が何たるかを分かっているのに、なぜ勉強につながらないのでしょうか。
なぜ模試を活かすような勉強ができないのか?
模試を使って弱点を克服するためには、模試に向けて勉強をしたり、模試の復習をすることが必要です。しかし、そのような勉強をできていない生徒さんは、大きく次の2つの原因を主張しているのではないのでしょうか。
勉強をするための時間がない
模試があるからと言って、日々の学校の勉強が休みになることはほとんどありません。ふだんの課題だけでもこなすのが精一杯なのに、模試の勉強まで手が回らない、という生徒さんは多いはずです。
また、優先度という点から見ても、学校の授業の宿題よりもどうしても低くなりがちです。提出がない、成績評価に関係のない分、模試の勉強をしなくてもすぐに悪影響はない、ということからどうしても後回しになり、内容を忘れてしまって余計に取り組みづらくなる、という傾向もあるように感じます。
勉強のやり方が分からない
定期テストとは違い、模試は範囲が広く、何が出るか予想をつけることは難しいもの。だからといって、すべての範囲をこなそうと思っても、時間は限られているため、ほとんどできません。勉強したところで、それが試験に出なければ次に模試のための勉強をするモチベーションも下がってしまいます。
また、模試を受けた後に関しても、復習するべき問題が一度に大量に押しよせるため、どこから手をつければよいか分からずに途方に暮れてしまう。結果、模試の復習ができないまま終わってしまう。かつての難関大生も含め、そんな思いをしたことがある生徒さんは多いと思います。
模試のフル活用に向けて先生にサポートしてほしかったこと
上の2つの原因をクリアすれば、生徒さんは模試のフル活用に向けて動き始めることができるはず。
かつて模試の勉強に向けて行動を起こせなかったことが大きな原因となって、弱点の克服が遅れて後悔したことのある大学生として、学校の先生には生徒さんに対して次のサポートをしていただきたかったな、と思います。
学校の授業で模試のために15分の時間を作る
生徒さんが自分で時間を取れないのなら、学校の方できっかけ作りの時間を取ってほしい、というものです。
長い時間を取らなくても、模試の1週間前と直後に15分ずつ取って、模試のための勉強のきっかけ作りをするだけでも効果はあるはずです。その時間内の内容としては例えば、
- 1週間前:模試の目標点数や、達成のための具体的な行動目標を決める
- 直後:自己採点をして自分の弱点を把握し、克服のための具体的な行動目標を決める
というイメージです。
きっかけ作りをすれば、各々の生徒さんの具体的な行動目標を宿題として課すこともでき、生徒さんの模試の勉強を促しやすくなります。この際、ふだんの宿題の量を少し減らすなどすると、生徒さんからしたら取り組みやすくなりますね。
勉強する範囲を分割し、しぼってしまう
定期試験に向けては勉強ができるのに、模試となるとできなくなってしまう最大の原因は、模試の範囲の広さです。
ならば、全部をやろうとして何もできずに終わってしまうよりは、範囲をしぼって、そこだけは確実にこなすのも1つの手です。
生徒さんからすると、模試の復習となると、変に完璧主義が働いてしまって「すべての問題をこなさいといけない」となりがちです。
そうではなくて、一部をやるだけでも効果はあることはなかなか生徒さん自身では気づけないもの。先生から言ってあげるだけで認識が変わる生徒さんは多いでしょう。
もちろん、全部の問題を復習できるのが理想です。しかし、穴の開いたパズルに1つずつピースをはめこんでいくように、模試ごとに1つずつ分野を復習していく。そして模試を複数回こなす中で、すべての分野の復習を一通り終わらせる。この方法も1つの選択肢としてありえるのではないのでしょうか。
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模試の勉強は、模試を活かそうという気持ちがあっても、その性質からなかなか行動に移すことが難しいものです。
だからこそ、
- 学校で行動のためのきっかけ作りをする=模試のための15分間
- 模試の勉強へのハードルを下げる=先生から範囲をしぼってもいいことを伝える
この2つをご提案しました。
しかし、先生としても通常授業や部活などの業務で忙しい中、模試のために別途時間を割くのは大変だと思います。
そこで、生徒さんに配り、記入を促すだけで、模試の勉強のきっかけ作りとなる、模試目標・振り返りシートを作成してみました。
生徒さんにとって記入がしやすいよう、ついこの間まで高校生だった大学生の視点から、さまざまな工夫をこらしています。
詳しくはこちらからご覧になれます。ぜひご活用ください。
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