【大学受験】生徒さんに合った併願校の選び方とは?〜スタンダードから変わり種まで全解説

2018年3月30日

大学受験に際し、悩みの種となりがちな「併願校の選び方」。 生徒さんによって目指すレベルやスケジュールも大きく違うため、先生が一人ひとりに合った併願校の選び方を指導するのも簡単ではありませんよね。 そこでここでは、

  • 併願校の選び方のポイント
  • スタンダードな併願校の選び方
  • ちょっと変わり種の併願校の選び方
  • 現役大学生の併願校選び体験記

などを中心に、併願校の選び方のコツをご紹介します。

併願校選びの前に

併願校の選び方 第一志望を決めたら、次に選ぶべきは「併願校」。しかし、ただやみくもにたくさん受験すればいいというものではありません。

まずは併願する「目的」を考えよう!

併願校を選ぶ前に、まずチェックしておくべきことがあります。

それは、「なんの目的で併願をするのか」を考える ということ。これを先に考えておかないと、無為に多くの受験を重ねることになりかねません。

併願の目的の例

併願校の選び方

受験校の併願では、主に次のような目的が考えられるでしょう。

  • 滑り止めのため
    …第一志望に不合格となってしまった場合に入学するつもりで受ける。
  • 余裕ゲット(不安解消)のため
    …難易度の低めの学校で確実に合格を勝ち取り、第一志望受験に余裕を持って臨む。
  • 試験慣れのため
    …第一志望の受験の前に、大学入試の試験に慣れておく実戦練習として受ける。

併願を「しない」のもアリ

一方で、併願校を出さないという選択肢ももちろんあります。 実際、「ここで落ちたらあとはない」と自分を追い込む意味で第一志望校のみに出願していた大学生も。追い込むことで上手にモチベーションを高められるタイプの生徒さんは、あえて併願をしないという戦略も一つでしょう。

とはいえ、もちろんリスクがつきまとうのも事実。「もしも不合格となっても後悔はしないか」「浪人する覚悟があるか」など、生徒さんやご家族がじっくりと考えた上で決められると良いですね。

そもそも併願をするべきかどうか?というテーマについて、詳しくは別記事「【大学受験】併願はするべき?しないべき?〜性格タイプ別に考える併願のメリット・デメリット」も参考にしてみてください。

併願校の選び方

併願校の選び方

それでは、実際に生徒さんが併願校を決めるときにはどのような選び方をすれば良いのでしょうか?

併願校の選び方のポイント

併願校の選び方のポイントは、

「魅力」を感じる候補の中から、なるべく「負担」が少ないものを選ぶ

ということです。

魅力ある候補とは?

ここでいう魅力ある候補とは、生徒さん本人が興味・関心を惹かれる大学や学部のことです。それは、「この大学に行ってみたい!」という大学への興味でも良いし、「これを専攻にしたい」という学部や専攻への関心でも良いでしょう。

  • 前者のように、行きたい大学が決まっている場合
    →同じ大学で複数の学部を受験する
  • 後者のように、興味のある専攻内容がある場合
    →別の大学で同系統の学部を受験する

というように決めることができます。

負担が少ないものとは?

一つ試験が増えるだけで、生徒さんはエネルギーをたくさん消費してしまいますし、受験料などもかかります。併願受験では、やみくもに受験校を増やすのではなく、次のようなポイントで絞ってみるのがおすすめです。

  • 難易度・受験科目が自分に合っており、追加で大量の勉強をしなくて良い
  • 日程が、第一志望の受験スケジュールにとって負担にならない
  • 受験料入学金が、家庭にとって大きな負担にならない
  • 試験の場所が遠すぎて何度も受験旅行を繰り返す、ということにならない

不安のためにたくさんの学校を受験し、結果的に第一志望の勉強がおろそかになってしまった…というのはよくある失敗パターン。第一志望の勉強の妨げにならないものを選ぶのが鉄則ですから、生徒さん一人一人の興味・関心やスケジュール、家庭の状況などと相談してフォローしてあげたいところです。

こんな併願校の選び方もおすすめ

生徒さんの負担を下げるために、次のような基準で併願校を選ぶのもおすすめです。

  • 地元での外部受験が可能かどうか
    …遠方の学生のために、全国各地の指定会場で受験できる大学を選ぶ
  • センター利用で受験可能かどうか
    …追加の対策をしなくて良いよう、センター利用の大学を選ぶ(ただし、センター利用ではかなりの高得点が要求される大学も多いため、注意が必要)

 

【スタンダード編】併願校の選び方

併願校の選び方

続いては、一般的な併願のパターンをご紹介します。

チャレンジ校(模試の判定がC以下):1校
実力相応校(模試の判定がB~C):3校
確実校(模試の判定がA~B):2校

このように、難易度別にバランスよく5~6校程度受けるのがスタンダード。生徒さんにとっての難易度を見極めるには、模試の判定を参考にしたり、受験科目との相性を見るのが良いでしょう。 また、このうち1,2校はセンター利用を選ぶというのが一般的です。

【変化球編】併願校の選び方

併願校の選び方

以上はスタンダードな併願パターンでしたが、受験には一人一人の合った戦略があります。

ここでは、ちょっと変わったパターンの併願をご紹介します。

なるべくたくさん受験!型

チャレンジ校(模試の判定がC以下):2校
実力相応校(模試の判定がB~C):4校
確実校(模試の判定がA~B):2校

平均的な受験生より多くの学校を受験するパターンです。

2,3校はセンター利用を織り交ぜ、一般入試は5,6校ほど。「とにかく浪人は回避したい」「ひとつの候補にこだわりはないので、受かった大学に行きたい」という生徒さん向きですが、一つ一つの学校に対する準備が充分にできなかったり、スケジュールが圧迫されて疲労がたまってしまったりといったリスクや、受験料をたくさん払わなくてはいけないコストなどのネックもあります。

逆に言うと、なるべくたくさん受験する場合でも、このくらいが上限と言えるでしょう。

なるべく少なく受験!型

チャレンジ校(模試の判定がC以下):1校
実力相応校(模試の判定がB~C):2校
確実校(模試の判定がA~B):1校

上記とは反対に、平均的な受験生より少ない校数にとどめるパターンです。

1校程度はセンター利用も織り交ぜ、3校ほどを一般入試で受験。「なるべく第一志望に集中したい」という生徒さん向きですが、チャンスが少ないぶん不合格の場合のリスクももちろん高くなります。

このパターンを選ぶ場合は、万が一インフルエンザ等の体調不良を起こしてしまった場合も考え、試験日程は短期間にまとめるのではなく「2月初旬に1校、中旬に2校」というようになるべく散らばらせておくのがおすすめです。

そもそも併願をしない!型

チャレンジ校(模試の判定がC以下):0校
実力相応校(模試の判定がB~C):0校
確実校(模試の判定がA~B):0校

「浪人覚悟で第一志望だけを受けたい」という生徒さんのパターン。一切の退路を断ち切ることで、全エネルギーを第一志望にかけます。

追い込まれるとがんばれる!というタイプの生徒さんにおすすめの受け方です。

 

現役大学生の併願体験記

併願校の選び方

数年前に大学受験を経験した現役大学生たちは、どんなふうに併願校を選んでいたのでしょうか? ここでは、トモノカイが抱える約230人ものキャスト(大学生スタッフ)のなかから、3人の大学生の実際の併願パターンをご紹介します。

東京大学法学部Mさんの併願校の選び方

私は1年間浪人しており、2浪はしないと決めていたため、この年で絶対に悔いのない進学先を手に入れる必要がありました。

浪人を決意したくらいですからどうしても東大に行きたかったのですが、万が一不合格となってしまった場合のことを考えて併願は一般入試・センター利用入試合わせて4つ出しました。

Mさんの戦略

第一志望の東大になるべく集中するため、併願の勉強は最小限に抑えるようにしました。そのために、基本はセンター利用・センター併用を選び、第二志望である早稲田大学文学部のみ一般入試を受験。日程的には、

センター終了後にまずは明治大(センター利用)の合格を確実に勝ち取って余裕を持つ ↓
早大文学部の一般入試・センター併用入試

東大の入試

早大文学部の結果を見る

東大の結果がわかる

という流れでした。

Mさんのアドバイス

要領があまりよくない私のようなタイプは、多くの学校を受けて各学校用の対策を行うというのはおすすめできません。私の場合は、「合格しても入学しないであろう大学」は受けたくないな、と思っていたため、入学することになっても納得できるところだけを受験しました。

ちなみに、センター利用で受けた早大国際教養学部は不合格。センター利用はコストが低いかわりにリスクも大きいため、注意が必要です!

東京大学理学部Nさんの併願校の選び方

心配性の私は、第一志望校に入試に受かるか不安で不安で仕方ありませんでした。

そこで4校に出願。結果は、ありがたいことに全ての出願校で合格をいただきました。たくさんの学校を受けたことで安心して入試に臨めたと感じています。

Nさんの戦略

「悩んだらとにかく全部出しまくる」

これが僕の併願校選びでした。高3当時は幸運にも第一志望でA判定をいただくくらいでしたので、「そんなに併願しなくてよかったんじゃないの」とよく言われますが、やはり不安だったのです。 いわば不安を解消することを目的にして、併願校を1つまた1つと増やしていき、最終的に4校にまで増えました。

Nさんのアドバイス

「不安の解消のために併願校を受験する」というのは半分しかうまくいきませんでした。というのも、併願校の結果がわかるのは第一志望の直前だったので、結局「どこも受からなかったらどうしよう」という不安の中で第一志望の勉強をせざるを得ないことには違いありませんでした。

一方で、第一志望の受験当日にはすでに複数の合格結果を手にしていたので「もうすでに合格がある」という状況で入試を受けることになり、その点は心が楽でした。受験当日というのは(特に心配性な人間であればあるほど)筆舌に尽くしがたいような不安に襲われるものなので、ここで安心材料があるのとないのでは大きな違いがあった、と思っています。

東京大学工学部Yさんの併願校の選び方

私は高3の時、特に行きたい学部があるわけではなく、ただどうしても東大の雰囲気が好きで、あそこで大学生活を送りたいと思い、受験勉強をしていました。

東大しか頭になかったので、併願校にはとても迷いました。 東大本番のためにもたくさん併願して準備をしておいた方がいいのか、東大の対策に時間を割くために併願は少なめにした方がいいのか…。 当時の私は夏の東大型模試も秋の東大型模試も判定が悪く、より多くの時間を東大対策にあてたいと考えていました。 しかし、1つの合格もないまま東大を受験するのは精神的につらいなとも感じていました。 そこで私は以下のように併願校を選びました。

Yさんの戦略

まず、1つ合格が欲しいということで、センター試験の成績だけで合否が決まる、センター利用の入試を2つ受験しました。明治大学と東京理科大学です。 併願校について当時の担任の先生に相談した時に、センター利用で合格をもらっておくと、入試本番で気持ちが楽になるよとアドバイスをもらい、受験することに決めました。こちらは二つとも合格することができました。

実際に問題を解く入試は東大の他にもう1つ、早稲田大学を受験しました。私の実家は地方で、東大に来るのが初めての東京での受験だと不安だなと感じ、練習のつもりで東大よりも入試日程の1、2週間早い東京の大学を受けておこうという考えです。

こちらは結果発表も東大入試よりもあとだったので、万が一落ちていても東大入試前に知ってへこむことはないだろうというのも良い点でした。 実際私は早稲田大学は不合格でした。

併願校の選び方
Yさんの受験スケジュール 

Yさんのアドバイス

私にとって併願は自分の不安をなくすためにするものでした。

東大入試を万全の状態でのぞむためにはどうすればいいか、それを考えて併願校を選びました。実際に東大入試では、一度東京での受験を(しかも私の年は大雪で大変な年でした)経験していることから、少し安心して受験を迎えられたと思います。

第一志望一発本番じゃ不安だという生徒さんには、不安なら一度併願校で受験を体験しておくことをおすすめします。

 

まとめ

大学受験に際する併願校の選び方について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

生徒さんは受験シーズンが近づくにつれ不安が募り、たくさんの併願校を選ぼうとしてしまったり、少ない情報のなかでどの学校を併願すれば良いか悩んでしまったりと、併願校の選び方で途方に暮れてしまうことも多いもの。先生方には、ぜひ生徒さん一人ひとりの目指すものやスケジュールに応じて、柔軟なフォローをしてあげていただきたいと思います。


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