夢を持てない中高生たち
小中高生に対する調査で、「就きたい職業はあるか?」という質問に対し「ある」と答えた割合はこの数年で10%以上減少しました(図1参照)。
このグラフを見ると、その減少の度合いが小学生よりも中高生のほうが大きいことがわかります。さらに、学年が上がるにつれて「ある」と答えた割合が減少していく傾向も見られます。本来であれば、大人になるにつれ将来の目標は明確になっていくのが望ましいはずです。
こんなデータもあります。高校生に対して、「進路を考えるときどんな気持ちになるか」と質問したところ、約半分が「不安になる」と答えました(表1参照)。一方で「進路を考えると楽しい」と答えたのは全体の約1/4にすぎません。中高生たちは、次世代の日本を担う重要な世代です。そんな彼らが、無力感・閉塞感を感じる時代になってしまっています。そして、私たち大学生もまた、そのような社会の雰囲気を感じながら中高生活を送った世代なのです。
2007年 | 2009年 | 2011年 | |
---|---|---|---|
自分がどうなってしまうのか不安になる | 48.7% | 49.4% | 47% |
自分の可能性が広がるようで、楽しい | 24.0% | 25.9% | 27.2% |
進路のことより、もっと考えたいことがある | 7.7% | 6.1% | 6.7% |
自分の将来にそんないいことはない、考えてもつまらない | 5.8% | 4.6% | 4.9% |
今が楽しければそれでいいので先のことは考えない | 3.7% | 4.2% | 3.8% |
その他 | 4.3% | 3.1% | 3.9% |
無回答 | 2.9% | 3.1% | 1.5% |
私たちの使命
大学体感プログラムでは、中高生にとって一番近い将来の選択肢である「大学」について、普段の学校生活では得られないリアルな情報を得ていただくことができます。大学は、多くの中高生が通ることとなるステージの一つであり、彼らの関心も高いでしょう。大学について話を聞くと同時に、大学を含めた「自分の未来」について少しでも考えてみる契機となります。
しかし、私たちがお伝えするのは単なる大学についての情報だけではありません。私たち大学生がどのような経験をしてきたのか、いま何を考えているのか、将来は何をしたいのか。多くの大学生と交流することで、多様な価値観に触れていただくこともできます。
人生の「少し先」を歩く私たち大学生の経験・価値観に触れることで、中高生が自分自身について、あるいは自分の未来について考える機会を提供したい。それが、私たち全員の思いです。
そして、私たち大学生もまたプログラム中に中高生から刺激を与えられています。このプログラムは、中高生と大学生が互いに刺激を与え合うプログラムでもあるのです。次の時代の日本を担う中高生に人生のターニングポイントとなる機会を提供すること。さらには、私たち大学生とともに活力あふれる日本社会を構築すること。これがUEPの使命であると考えています。